部分矯正においての「歯を削る」ことについてのQ&A

監修:青山健一

はじめに

部分矯正においての「歯を削る」ことについてのQ&A
矯正治療で歯を動かすためには、どうやって歯を動かすスペースを確保するかということが大切になってきます。

抜歯してスペースを作るのか、奥歯を広げたり後方に動かすのか、歯列のカーブを大きくしていくのかなど、全体矯正においては、奥歯をどう動かして歯を並べる隙間を確保するかで治療方法が違ってきます。

一方、部分矯正では前歯しか動かさないため、前歯のエナメル質を削ることでスペースを確保していきます
「歯を削る」と聞くと少し怖くなる方もいらっしゃいますが、「歯を削ること」について検証していきましょう!!

Q 部分矯正では歯を削ると聞きましたが、いつの段階で歯を削るのですか?

A デコボコが軽度の場合には、治療の後半のマウスピースを装着するようになってから歯を削りますが、デコボコが大きい場合には、治療の初めの段階から削ることもあります

治療の初めから削る場合はワイヤーの治療期間が短くなるメリットがありますが、歯を削る量がほんの少しだけ多くなるというデメリットもあります。
歯をどのタイミングで削るのがベストかは、これまでの多くの治療経験から判断する場合が多いです。

Q 歯を削るときには痛いのでしょうか? 削る際には麻酔はするのですか?

A 前歯の部分矯正で削るのは、エナメル質に限定していますので、痛みは一切ありません
差し歯やかぶせ歯にする場合は、エナメル質の下側にある象牙質を削るので、削る際に痛みが出ないようにするために麻酔をしますが、部分矯正で歯を削るのはエナメル質限定で、麻酔しないで削っても痛く感じるほどの歯の量は削れないので、削る際に麻酔をする必要はありません。

エナメル質と象牙質、歯髄腔などか

Q 歯を削っても歯の健康には問題ないのでしょうか?

A 歯は削らないで済むならば、もちろんそれに越したことはありませんが、前歯の部分矯正の場合は、歯を削らないでデコボコの歯を一列に並べると、その分前歯が前方に出てしまうので、その分だけ引っ込めたい場合には、引っ込めるためのスペースは歯を削って確保しなければいけません。

削る量にもよりますが、エナメル質の範囲内であれば、私の行った多くの治療症例の中では削ったことが原因で虫歯になった例は一度もありません

Q 歯を削った後は何か注意することはありますか?

A 基本的には普通にお手入れしていれば問題はないのですが、特に歯を大切に考えられている患者さまには、ブラッシングやフロスの使用による歯のお手入れをきちんとしていただくことのほかに、歯を削った後に石灰化を助ける意味でフッ素入りの歯磨剤の使用をお勧めしています。

フロス

☆まとめ

いかがでしたでしょうか?
一口に「歯を削る」といっても、エナメル質を削るのか象牙質を削るのかで歯へのダメージは全然違ってきます

噛み合わせの治療として「咬合調整」といって、噛み合わせを調整するためにエナメル質の一部を削って調整することもありますが、この場合も歯を削るデメリットよりも噛み合わせを調整するメリットの方が大きいと判断して行うことがあります。

部分矯正においても、エナメル質を削るレベルで簡単に矯正が終わるのであれば、圧倒的に削るデメリットよりもメリットの方が多いと判断した場合にのみ部分矯正をお勧めします
そういった意味でも、患者さまも部分矯正のメリットとデメリットを十分納得されたうえで決断されることをお勧めいたします。

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